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全サンプルラインを加熱する「加熱型」VOCモニタは、吸着の影響が少ない測定が可能です


「加熱型」とは?
VOC計は大きく分けて、FID(水素炎イオン化)方式とNDIR(触媒酸化)方式があります。
FID(水素炎イオン化)方式は、さらに「加熱型」と「非加熱型」の2種類があります。
「加熱型」のVOC計は全サンプルラインを加熱するもので、「非加熱型」のVOC計に比べて高沸点ガスでも吸着の影響が少ないため、安定した測定ができる方式です。

吸着の影響とは?
吸着とは測定ガスが配管内に物理的に付着することで、高沸点のガスほど吸着しやすいといえます。
配管内で吸着が発生すると、検出器に正確な測定ガスが送られないことになります。
また、吸着したガスがしばらく配管内に残り、測定ガスの供給が終わっても測定値がなかなか元に戻らない現象が起こります。さらに、吸着したガスが完全に脱着するまでは次の測定に影響を与えることになります。

FID(水素炎イオン化)検出器とは?
測定ガスを直接FIDに連続的に導入すると水素炎中でイオンが生成されます。そのイオン電流量を測定して炭素換算でVOCの濃度として出力する検出器です。
ほとんどの有機化合物が測定可能で、広い範囲の直線性を持っているすぐれた検出器です。

VOCモニタ EHF-770V は、測定ガスの沸点や濃度にかかわらず高精度で測定する
「加熱型」のVOC計です。
「非加熱型」のVOC計で高沸点VOCを測定した場合は、非加熱配管内で測定ガスが吸着しますので、吸着したガスがしばらく配管内に残り、測定ガスの供給が終わっても測定値がなかなか元に戻らない現象が起こります。さらに、吸着したガスが完全に脱着するまでは次の測定ができませんので、バッグ測定での作業効率が非常に悪くなります。

VOCモニタEHF-770Vは、バッグ測定はもちろんのこと全サンプルラインを加熱する「加熱型」のFID(水素炎イオン化)検出器を採用していますので、高濃度・高沸点炭化水素などの安定した連続測定が可能です。

↓↓↓ まずは違いを確認してください ↓↓↓


高沸点VOCでの「加熱導管」と「非加熱導管」のデ-タ比較




パラフィン系混合溶剤の測定

「非加熱導管」(約25℃)

吸着の影響で測定値がブロードになっているため、
測定値がゼロになるまでに時間がかかっています。

「加熱導管」では


「加熱導管」(約130℃)

吸着の影響が少ないためシャープな測定値を示してます。
これは「非加熱導管」とは約3倍の違いがあります。
ピークからゼロになるまでの時間も「非加熱導管」より早くなっています。

・パラフィン系 炭素数C11〜C15 (主成分C12 沸点216℃) 高沸点VOC
・注入量 約0.8μL   ・ガス流量 2L/min   ・4/6テフロン管 5m



シリコ-ンオイルの測定


「非加熱導管」(約25℃)

測定を3回繰り返しました。吸着の影響で
ピークがはっきりしない測定値になっています。

「加熱導管」では


「加熱導管」(約130℃)

吸着の影響が少ないためシャープな測定値を示してます。
ピークからの応答が非常に早いことがわかります。

・シリコ-ンオイル (沸点210℃) 高沸点VOC 
・注入量 約1μL   ・ガス流量 2L/min   ・4/6テフロン管 5m



オルト-キシレンの測定


「非加熱導管」(約25℃)

最も吸着の影響がある溶剤のひとつです。ガスの供給は瞬時に終わっているのですが
配管内で固体で吸着しているため、測定ができないような状態となっています。
固体で吸着した場合は脱着にも時間がかかりますので、検出器にはいつまでも
ガスが供給されているような状態になってしまいます。

「加熱導管」では


「加熱導管」(約130℃)

「加熱導管」では他の溶剤と同様に吸着の影響が少ない測定ができることがわかります。
パラフィン系混合溶剤やシリコ-ンオイルよりも沸点が低いにもかかわらず
吸着の影響が大きい溶剤ですが、ほとんど影響を受けないことがわかります。

・オルト-キシレン (沸点144℃)
・注入量 約2μL   ・ガス流量 2L/min   ・4/6テフロン管 5m


≫今回のデータの測定方法
対象となる溶剤をVOC発生器で気化させて、一定流量のキャリヤーガス(空気)を流すことでピーク状の濃度のVOCガスを発生させてVOC計に導入させます。
VOC発生器とVOC計との間を、非加熱テフロン管(常温約25℃)、加熱導管(約130℃)でそれぞれ接続した時のデータを比較したものです。


今回はVOC発生器からVOC計までの配管だけを変えて実験しました。
さらに、今回は4/6テフロン管5mの直管で、流量が2L/minという速い流速(通過時間1.5〜1.9sec)です。
テフロン管は吸着が元々少ない材質ですが、それでも配管だけでこれだけの明らかな違いがでるのです!

実際のVOC計の内部配管は径が違ったり曲がったりしていますので、流速が遅くなりデッドスペースが流路系統中に存在します。
非加熱配管で構成されたVOC計は、さらに吸脱着が激しくなることは明白です。
つまり、実際の測定ではさらに大きな違いがでるということです!!

 VOCモニタEHF-770Vは、このようなユーザー様に最適です
  正確な測定値が要求される事業所様
  短時間で複数回の測定が必要な測定業者様
  安定した測定がしたい
  メンテナンスをできるだけ避けたい
  連続測定をしたい
  ランニングコストをできるだけ抑えたい
  実績のある装置が必要
  できるだけ長く使いたい


注意:VOC排出規制が開始されました

揮発性有機化合物(VOC)は、浮遊粒子状物質(SPM)や光化学オキシダントの原因物質のひとつで、シンナー、接着剤、インクなどに含まれており、大気汚染の原因となります。
SPM、光化学オキシダント対策の一環として、VOCの排出規制が平成18年4月1日より開始されました。既設の排出施設については、平成22年までは排出基準の適用が猶予されますが、VOC濃度の測定義務は猶予されていません。
規制対象となる施設では年2回以上VOC濃度を測定する必要があります。
環境省では2010年までにVOCの排出量を30%カットすることを決めています。法規制と事業者の自主的な取組みとの組合わせ(ベストミックス)による効果的なVOC削減を目指すものです。

 VOCモニタEHF-770Vは、このような施設に必要です
  塗装施設・塗装後の乾燥・焼付施設
  印刷施設・印刷後の乾燥・焼付施設
  接着剤使用施設・接着剤使用後の乾燥・焼付施設
  工業用洗浄関係施設
  化学製品製造関係施設
  VOCの貯蔵関係施設

ヤナコVOCモニタEHF-770Vは、環境省仕様にも適合したVOC測定器です。

よくある質問

Q: 今回の法律で、環境省はバッグにサンプルガスを採取して測定するのが基本的測定方法としています。これは「非加熱型」VOC計でも良いということではないのですか?

A: 排出口で気体状の有機化合物を常温バッグに採取するわけですから、確かに「非加熱型」でも問題はないと思います。しかし、バッグ内の吸着汚染を考えて、法律ではバッグの再使用はしないこととなっています。このことからも、測定頻度が多くなると「非加熱型」の配管内では吸着汚染の影響があると考えられます。
それに比べて「加熱型」は配管内の吸着汚染が少ないので、安定した測定が可能です。
その例として、「加熱型」は1年中24時間連続で使用しても、年1回の定期点検だけで問題なく運転している実績があります。
つまり、あらゆる測定で「加熱型」のほうが安定した測定ができることになります。

なお、サンプリングポイントの大半が防爆地域にあるため、環境省はバッグでの採取をすすめているのです。測定方式とは直接的な関係はありません。


Q: サンプルガス中に水分が大量に含まれていた場合、測定結果にどのような影響がありますか?

A: 通常はサンプリングしている外気温の露点付近まで水分トラップなどで除湿してバッグに採取するので、測定値に対する水分の影響はほとんどないと考えます。しかし、VOC計内部の流路において「非加熱型」では結露による詰まりなどのトラブルとなり、測定結果にも悪影響を与えることも考えられます。
「加熱型」ではこの問題は発生しません。

なお、環境省の排出基準をクリアするために今後は燃焼処理施設の増設も予想され、この場合はサンプルガス中にCO2が多く、触媒酸化式CO2計では誤差が多すぎて測定が不可能であるため、FID(水素炎イオン化)方式で測定することが指示されています。
また、この施設からのサンプルガス中には水分が大量に含まれていますので、上記のような問題が出てくることも予想されます。


Q: 濃度差の大きいガスを短時間で測定することは可能ですか?

A: 排ガス処理施設では入口と出口のVOC濃度を測定して、施設の処理効率を調べる必要があります。
この場合は入口と出口で相当な濃度差が発生しますが、「加熱型」では吸着の影響が少ないため濃度が急激に変わる測定でも対応できます。「非加熱型」では吸脱着の影響が大きくなるため、この用途に対応することは難しいと思われます。


Q: 連続分析では「加熱型」「非加熱型」でどのような違いがありますか?

A: 「加熱型」で連続分析をした場合は、吸着の影響が少ないので常に安定した測定値が出ます。
「非加熱型」で連続分析をした場合は、吸着しているところにガスが連続で送られてくるため、吸脱着の影響はさらに大きくなると思われます。つまり、測定値がいつまでも下がらないことが予想されます。


Q: 「加熱型」はヤナコ以外にありますか?

A: VOC計を製造しているメーカーは数社ありますが、「加熱型」を製造しているところは2社程度です。汎用性のある「加熱型」VOC計としてはヤナコ以外にはないと思います。


Q: 「加熱型」の欠点は?

A: 「加熱型」と「非加熱型」を単純に比較した場合、「加熱型」は全サンプルラインを加熱するため一般的には価格が高くなりますので、それが欠点といえます。
ヤナコVOCモニタEHF-770Vは、価格をかなり抑えてありますので、最大の欠点を克服した装置となっています。
それ以外の欠点は特にないと考えます。

実際に使用されているユーザー様の声

A株式会社様
「弊社は分析を専業とする会社ですので加熱、非加熱の違いは良く理解しています。(・・・中略・・・)4月より法律が改正されますので工場等の分析依頼が増えてきます。ヤナコ様のEHF-770Vの購入を決意した最大の理由はランニングコストが安いことです。使用頻度が多い弊社としては、購入価格よりもランニングコストを抑えることが重要です。ランニングストが安いことは納入実績からもわかりましたので、安心して購入できました。まだ試験段階ですが、これから活躍すると思います。」

F工場様
「VOCガスの24時間連続測定をして2年が経過しましたが、ただの一度もトラブルはありませんでした。
年に1回の定期点検でこれだけの安定したデータが出るのは驚きです!この調子ですと10年以上は軽く使えそうですね。」

S株式会社様
「前機種のTHC計が20年以上安定して動いていましたが、法律の改正があることとISOの関係もあってヤナコEHF-770Vを採用しました。日本では加熱型のVOC計は意外なほど広まっていませんが、これからは加熱型が増えてくるように感じます。」

改正大気汚染防止法対応

最後にひとこと

「それでも非加熱型を使いますか?」という問いかけに「はい」と答える理由がなかった。
あるユーザー様の答えです。
確かに見た目はちょっと古い感じがするかもしれません。おそらく先進的とはいえないでしょう。(笑)
しかし、分析の原理と仕組みは数十年前に確立されているのです。そして、これは今後も不変です。

少し前ですが法改正によって、ある測定装置が爆発的に売れた時期がありました。
他社はそれにあわせて新機種を導入しましたが、ヤナコでは従来の機種で対応しました。
その結果、ユーザー様には十分に納得していただくことができました。

分析、計測業界では新製品は良いということが当てはまらないのは周知の事実です。

ヤナコでは意味のない見た目だけの改良はしません。
より安定した測定、より確実な測定ができるように、目に見えない部分の改良、開発に全力を傾けているのです。

今回の排出規制の関係では、購入価格が安い「非加熱型」が市場に多く出ると思います。
確かに、単純な価格競争では「非加熱型」のほうが安いです。

しかし、ランニングコストを考えたらどうでしょう?
5年、10年使うとしたら・・・「加熱型」が高いとなるでしょうか?

それでも「非加熱型」が多く市場に出るでしょう。それはそれでいいと思います。
ただ、不安定な測定値が出たり、使い勝手が悪いと感じたら「加熱型」のことを思い出していただければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。


■追加データ


捕集バッグにおける加熱型と非加熱型のデータ比較




パラフィン混合ガス

(室温 25℃)

吸着の影響で測定値がブロードになっているため、
測定値がゼロになるまでに時間がかかっています。
(試料吸引量 約1.2L/min)

「加熱ライン」では


(約130℃)

吸着の影響が少ないためシャープな測定値を示してます。
(試料吸引量 約2.2L/min)

・パラフィン系混合ガス 炭素数C11〜C15 (主成分C12 沸点216℃) 約3,000ppmC
・捕集バッグ採取容量 20L   ・測定レンジ 0〜5,000ppmC


≫今回のデータの測定方法
■非加熱型VOC計試験流路図


■加熱型VOC計試験流路図


■EHF-770V 仕様
製品型式  EHF-770V
測定対象  VOC(揮発性有機化合物)
測定方法  HOT-FID(水素炎イオン化)検出法
 (試料導入口から全サンプルライン加熱:120℃〜150℃)
測定レンジ  0〜100/200/500/1,000/2,000/5,000/10,000 ppmC
 (他の高感度・高濃度レンジ可)
指示誤差  フルスケールの±1% *
繰返し性  フルスケールの±1% *
ゼロドリフト  フルスケールの±1%/8h (±2%/day) *
スパンドリフト  フルスケールの±1%/8h (±2%/day) *
応答時間  サンプルガス入口より90%応答時間10秒以下
酸素干渉  変化幅が10%以下(酸素濃度変化0〜21vol%に対して)
試料採取量  2〜3 L/min
相対感度  トルエンに対して90〜105%
 酢酸エチルに対して70%以上
 トリクロロエチレンに対して95〜110%
燃料ガス  純水素ガス
助燃ガス  精製空気
 (不純物として含まれるVOCの許容濃度0.5ppmC以下)
出力信号  DC0〜1V DC0〜10mV (非絶縁出力)
電源  AC100V 50/60Hz共用
消費電力  最大約700VA
外形寸法  400(W)×400(D)×415(H)(取手含まず)
重量  約30kg
その他  腐食対策型FID採用
 消炎時水素流路遮断回路付
 * については0〜1,000ppmCレンジにおける仕様です


■EHF-770V オプション

ゼロガス 高圧容器入り高純度空気または高純度窒素
スパンガス 高圧容器入りC3H8/AirまたはC3H8/N2
パソコン用通信機能(RS-232C)
自動校正機能



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